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人にはじまり人に終わる。人が会社とともに成長し続けるためには?



大きな赤字を正常に戻すために、わたしは必死であった。当時、リストラを兼ねて人の部署転換・異動もあったからだ。一番の思い出は、なんといっても、一棟借りビルの一部返還を直談判し、会長室で、激叱られたこと。これには、佐藤会長の逆鱗に触れた。


しかし、互いに、真剣だったからこその激論で、今でも良き思い出として、脳裏に焼きついている。佐藤会長は受け入れて下さり、その後、黒字転換・V字回復に向かっていった。


 

(前回までの記事は、こちら)

クリックすると、リンク先に飛びます。

 

「結局、事業は、人にはじまり人に終わる」


経営盤石化させるためには、「売上を盤石にすること」「売上以上の支出はしないこと」である。突き詰めると、「安定して売上を構築しつづける」ことだ。では、売上を構築しつづけるためには? これは、身を持って経験してきたことだが、 確実に、“人”。「人の安定と成長」である。

いくら、ひとたび「売れる仕組み」や「モデルを構築」したとしても、それを扱える“人”が欠ければ、売上をあげ続けることは、至極困難だ。優れたベンチャー企業、SaaS企業でも、アップデートしつづけなければ、他社の追随は免れることできない。当然、アップデートをするのも・判断するのも人だ。


事業を継続するには、時代・時代に応じた知識・技術研鑽(時務学)は、いつの時代でも必要で、時代の流れに応じて、スキルやノウハウを身につけることは沢山ある。しかし、それに翻弄されて、“根底(天道・人道)”を把握しない技術や学問は、人を不幸にするだけ。表向きの華やかさで、評価してはならない。


だからこそ、人である。一度あがった売上を大きく落とした時は、大抵は、人が辞めたときだ。


では、なぜ人は会社を辞めるのか?

人が会社とともに成長し続けるためには?


この問いを考えた際に、私自身の経験、14年在籍した教育会社+6年ご一緒したマーケティング・ベンチャー会社、そこで、関わらせて頂いた約500社と20000人の受講生・ビジネスパーソンと対話し、至った結論は、


「己の才徳(すぐれた才知と徳行)が発揮できる環境か?」


という点が、極めて大きいということだ。


会社は、人の才能を把握し、適材適所をもって、人のつよみを活かす。偉くならなくても「自分でなければならない」という自覚を持って、自分の周囲の人たちを照らす(一燈照隅)こと。


それを実現するためには、人も会社も成長を実感できる環境が必要。それには、末学(日進月歩の知識や技術を身につけ、吸収していく)と、本となる人格形成の本学(人間学)、双方を併せ持った人が、会社の成長とともに一緒に歩んでくれるしか、他ない。


末学(知識や技術)だけを突き詰めても、本学(人間学)ができていないと、息が苦しくなる。道を誤る。一方、本学だけでは、絵空事で、時代に取り残される。

そのため、人を治めるリーダーは、徳を積み、私利私欲を超える。稲盛和夫氏のいわれるように「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」これを心底にもって経営しなければ、かならず、優秀で謙虚、人徳ある人材は離れていく。これは、力学・宇宙の法則であり、原理原則である。だから、リーダーは、論算兼備(人間学とマーケティング)を探究しつづける必要がある。商売のあり方として、「売って喜び、買って喜ばれる」ように追求しなければならない。



以上、ここまで、3つの記事に分けて、佐藤会長との思い出に触れながら、ともに過ごした14年、経験・体得してきた格物致知の一部を書き上げてきた。結果、こうして、論算兼備に満ちた世づくりを、天命として向き合う人生となった。

記事を端的にまとめると、


① 教育(論語)と経営(算盤)の中庸体系

② 積小為大、実地実行、率先垂範

③ 才徳発揮、一燈照隅

これらは、我々中小企業にとって(特に、このコロナが蔓延する世界においては)、より一層心がけなければならないことだと痛切に感じる。だからこそ、これからも、心して、日々を過ごしていきたい。

最後に


ここまでお読み頂き、ありがとうございます。最後までお読みいただいたあなたは、きっとミドルリーダー、経営者として、とてもご苦労が多い方だと思います。本稿連載中に、在職時代の後輩から、ご相談をいただきました。その時のやりとりが、これをご覧のあなたのお役に立てれば…と思い、以下に触れておきます。


✔︎「社長の言うことが、コロコロ変わるのですが…」

→社長も日々悩んでいる、ということです。社長の発想力と実行力があったから、会社はここまで成長してきたのです。あなたは、あなたにしかできない、お役目があるはずです。

✔︎「社長が自分を大切にしてくれていないように思うのですが…」

→それでも、あなたは、社長を、メンバーを愛そう。それはめぐりめぐって、自分に返ってくるからです。

✔︎ 「メンバーが思うように、成長してくれない…」

→ 二宮尊徳は、こう言います。「聖人は、悪人愚人でも、教え続けなければならない。」森信三先生は、こう言います。「人は、かならず誰しもが、その人にだけしかない「封書」を持って生まれ、その封書には自分の使命が書かれている。それを開くかどうかは、当人次第」とも。


メンバーには失敗を織り込み済みで、見守るしかない時もあります。人は、失敗してからでないと気付けない生き物。大きな怪我にならないように見守りましょう。で、封書を開けることができたら、お祝いをしてあげよう。会社で、才徳発揮できる環境を与えられたら、偉くなんてならなくていいので、自分の才徳を活かし、自分の身の回りの・必要とされる人を照らすことこそが、真の幸せだということを伝えてあげましょう。

✔︎「社長も部下も自己主張ばかり…」

→良く分かります。だからといって、あなたが苦しむ必要はありません。あなたの主張は、みんながハッピーになるように考えている。利他を持って、接している。だから、あなたは堂々していいし、今のままでいい。今のままのあなたでも愛されているし、成長した未来のあなたはもっと愛されるでしょう。



時代の流れは早い。ついていくために、誰しもが必死である。しかし、末学だけでは、真に得たい結果は得られない。本学が土台になければ。


そういった意味でも、教育と経営、この2つに没頭してきた経験(失敗・成功ふくめて)をさせて頂いた佐藤会長に、この場を借りて、あらためて、感謝申し上げたい。


佐藤会長からいただいた言葉のなかで、最も心に残り今も大切にしている言葉で、本テーマの記事を締めたいと思います。


「困ったときこそ、為世為人」


心より、感謝を込めて。


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